バワ建築の特徴は、それまで建築界の主流とされていた“西洋建築”とは異なる新しい価値観をベースとしている。建築物の内部空間とそれを取り巻く外部空間を塀や壁で仕切ることで、外敵や自然の驚異から人間を守ることを重視している西洋建築のコンセプトとは異なり、建物とそれを取り囲む外部空間を「連続する空間」とすることに価値を置いて、二つの空間を隔てる仕切りを最小限にする、「空間の連続性と開放性」を重視した建築である。
バワの弟子たちに「バワから学んだことは何か」と問うと、共通して言うことの一つが「設計に入る前に、一定期間、その地域の自然特性や歴史文化、地域の人々の住まいなどを徹底的に調査研究すること」。このことからもわかるように、「地域環境と建築物の融合の上に成り立つ空間を生むということ」をバワは大切にしていた。